見上げると圧倒される巨大な岩石。
幾つもの年月をかけてできた神秘的な縦じま模様。
この岩石が、はるか彼方の大陸でできたものだと知ると、
あらためて、大地への好奇心がかきたてられる。
日本列島誕生の鍵を握るかもしれない地層
三瓶湾の岬の先端にある須崎海岸。この縦じま模様の正体は火山灰が海底に降り積もってできて固まった「凝灰岩(ぎょうかいがん)」。かつては水平だった地層が、地殻変動の影響で垂直になり、現在のように縦じま模様になった。約4億年前に生きていたハチノスサンゴの化石が発見されたこの地層は、黒瀬川構造帯の一部とされる。黒瀬川構造帯は西予市城川町黒瀬川地区で初めて本格的な研究がされたため、その名がついた。約2億5千万年前に誕生したとされる日本列島よりも古い地層ではるか彼方の大陸の一部ではないかと考えられている。
この須崎海岸には約300mの遊歩道が整備されており、その自然美を間近に観察することができるが、さらにおすすめなのが海上からこの大地の神秘を眺める「ジオクルーズ」だ。三瓶湾に面した老舗ホテル「みかめ本館」からは屋形船が出航している。