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棚田百選・堂の坂の棚田と田休み行事棚田百選・堂の坂の棚田と田休み行事

先人たちの汗と知恵の結晶を、今も大切に守り続ける

新緑の季節には、若苗と水面のコントラストが美しく、秋には稲穂が黄金色に色づく日本の棚田百選「堂の坂の棚田」。季節によって多彩な表情を楽しむことができ、多くの写真愛好家が訪れる人気のスポットだ。先人たちは、少しでも収穫を得ようと、近くを流れる堂の坂川から水源を確保し、比較的傾斜がゆるやかなこの地に開墾した。巨石や「水抜き」と呼ばれる石を組み合わせた暗渠をふくむ約1.2ha石積みの棚田からは、当時の石組技術の水準の高さがうかがえる。

現在は6軒ほどの農家が約70枚の田を耕し、毎年、80俵ほどの収穫がある。地区内は高齢化が顕著だが、農家の皆さんは今もなおこの美しい棚田を守り続ける。
この美しい田園風景は、人々の思い と努力の結晶だ。棚田とともに近隣には東屋風の茶堂が59か所残っており、お遍路に飲食をもてなす「お接待」の場として人々を和ませる。

田穂の山里には爽やかで、ゆったりと、そしてどこまでも優しい風が吹いている。


水田を舞台に繰り広げられる今昔イベント

この堂の坂の棚田を舞台に、稲刈りが終わった10月下旬の1日限定で1,500本のロウソクで棚田を彩るキャンドルアップが行われる。当日はミニコンサートも行われ、幻想的な雰囲気があたりを包みこむ。地域住民や子供たちも協力してつくり上げるキャンドルアップは地区内外問わず多くの観客を魅了する。
一方で、この地域では、稲作と結びついた伝統文化を大切に伝承されている。その一つが、田植えが終わった6月の最終日曜日に行われる「実盛送り」だ。300年以上の歴史を持つ伝統行事は、「平安末期に非業の死を遂げた斎藤実盛の無念が害虫にのり移った」という言い伝えに由来するもので、五穀豊穣と害虫退治を願うため、実盛の人形を持ち、地区内を念仏装束で練り歩く。これは市の無形民俗文化財に指定されており、一見の価値がある。

また、牛の確保が困難なことなどから現在は休止となっているが、7月の第1日曜日には恒例の「どろんこ祭り」も行われてきた。こちらも五穀豊穣と害虫退治を目的とした田休み行事だ。牛による代かきやどろんこ活劇「畦豆植え」、天狗の面をかぶった大番が登場する「さんばい降し」など、ユーモラスな祭りは多くの観客を楽しませた。


伝統の八ツ鹿踊り

お接待の場・茶堂

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